適応障害
適応障害とは
適応障害とは、何らかの影響でストレスが強くなり我慢の領域を超えてしまった時に異常な行動に出たり、体調不良を起こしたりする病気です。
新しい環境に移ったり、職場での立場が変わってプレッシャーが強くなったり、別離などの大きな悲しみに遭遇した時などに発症します。
適応障害の原因や症状は人によって様々です。
周りの環境によるストレスが強いためなのか、本人がストレスに弱いのか、家族などのサポートが足りていなかったのかなど、人によって異なります。
適応障害の特徴
適応障害の特徴には様々なものがあります。
それらは、受けているストレスや環境、本人の性格などによって現れ方が違います。
大きく分けると4つの特徴があります。
まず一つ目は、過度な不安から起こる症状です。
不安が想像以上に大きくなったり、それによって恐怖感が生じることで、動悸や息切れが頻繁に起こるという特徴が現れます。
二つ目は、うつ的な症状から生じる特徴です。
なんでも悲観的に捉えてしまったり、わけもなく憂鬱になったり、喪失感に襲われたり、些細なことでも泣くようになるなどの特徴を持ちます。
三つ目は、異常な行動を起こすパターンです。
職場での態度があまりにも悪かったり、無断欠席や無断欠勤を繰り返してしまったり、お酒を過剰に飲んでしまったり、事故を起こすような運転をしたり、喧嘩をしたりなどの異常行動が特徴です。
最後に、体調不良として症状が現れるパターンです。
会社に行こうとするとお腹の調子が悪くなったり、頭痛が起こってしまったり、腰や背中がわけもなく痛くなるといった特徴を持ちます。
これらの特徴は、大きな部類で分けられていますので、人によってはこれらの特徴からさらに様々な症状が起こることもあります。
ただ、適応障害の場合は環境を変えたり、本人の心の切り替えや周りの人たちのサポートによって比較的すぐに改善されることが多いです。
適応障害から発展して何かの精神病などにならないように、少しでも異常を感じたら原因を究明して、自分なりに対策をしていくことです。
適応障害の原因
適応障害の原因については人それぞれで様々です。
ひとつには、環境の変化により、ストレスを受けるようになったことが考えられます。
職場での昇格により以前よりプレッシャーが大きくなってしまったり、部署が変わり人間関係に変化があってストレスが大きくなったという原因も考えられます。
もう一つは、別離やその他の大きな悲しみに遭遇したためにショックが強くて抱えきれなくなってしまうというケースです。
並びに、それに対して家族や周りの人たちにうまくフォローやサポートをしてもらえなくて、一人で抱え込んでしまったことが原因になることも多いです。
環境から見たときに、本人がストレスに弱い性格のため、適応障害を発症してしまうというケースもあります。
適応障害の治療方法
適応障害の治療は、すべての場合において薬物を用いらなければいけないわけではなく、少しの変化で治療できることも多いです。
まずは、ストレスの元に気づくことです。
その上で、ストレスから逃れることができるのなら、一旦ストレスを取り除いた環境で過ごすことです。
ストレスを取り除くことが難しいのであれば、本人がそのストレスに強くなれるように、心の持ち方を変えていくことです。
最初はなかなか難しくて、適応障害の症状が多少出てしまったとしても、そのうち慣れてきて本人がストレスに打ち勝つことができるかもしれません。
この二つの方法で実践してみても改善されない場合には、病院で処方された薬での治療が必要となります。
不安から起こる症状の適応障害の場合はベンゾジアゼピン系の薬を、うつ的な症状からの適応障害の場合は抗うつ薬が処方されますから、それらを服用しながら治療していきます。
最終的には、薬物治療と環境の見直し、本人の心の切り替えなどをうまく行ないながら治療に向けていきます。