統合失調症
統合失調症とは
統合失調症とは、人が生きている上で、身体と心と頭脳が一致しない状況となります。
つまり、感情によって人は行動したり、頭脳の分析によってある行動を起こしたりします。
それが、感情と頭脳の出した答えが運動として表現されない状況を言います。つまり、答えを出せない状況や、出すのに非常に苦しい状況になります。
つまり他人から見ると、つい先程出した答えと全く違う行動をしている状態です。もしくは、何も行動が出来ない状態にもなります。
ただし、他の適応障害と区別する為に、統合失調症のパターンは、幻覚と妄想を持って症状の発生とされます。つまり、思考と感情、行動が一致しない原因には、妄想によって頭脳の分析が出来ない状態に陥り、幻覚を見ることでどんな判断をしたら良いのか分からなくなるのです。
その結果、どのように行動したら良いのか、身体と頭脳と心が不一致を起こします。人から見ると、優柔不断に見えたり、変わっていることをしている人に見られたりします。
統合失調症の原因
統合失調症の原因は不明で、まだ解明されていないのが現状です。
ただし、遺伝子レベルの要因や、心理的なストレスや環境が突然変わったりすると発症することがあります。
就職や転勤、受験や進級、結婚や出産や離婚と言った普段の生活に、何かのストレスが起こって発症することがあります。
このような時期に、不安で眠れない状態が続いたり、音や光に過敏に反応したります。
そして、だんだん身体の緊張状態が続き、ストレスが解消されなくなります。また、そんな現実に焦ってイライラして、落ち着かない言動をするようになります。
このような状態が起こるのは、ストレスが溜まっているからですが、いつ発症するのかまでは分かっていないのです。
ただし、脳が自分の許容範囲以上の情報を受け取ると機能低下してストレスになってしまうことがあります。精神機能が情報を処理しきれなくなるのです。つまり、頭脳と心に負荷が掛かり過ぎてしまうと発症するのです。
統合失調症の症状
統合失調症の症状は、現実と非現実の境界線が曖昧になってしまうことです。つまり、本人には、自分の妄想と現実の差が分からなくなってしまうのです。
自分では実際にはしていないことをしていると言ったり、行動をしていないことを行動したと思い込んでいる状態です。
本人は、妄想や幻覚で実際にそういうことを経験したと思っています。妄想だったのか、現実だったのか、非常に記憶の輪郭がぼやけてしまって分からないのです。
このような状態が続くと、周囲からは忘れっぽい人だとか、言動と行動が一致しない人だと思われて周囲から孤立してしまいます。
コミュニケーションが円滑に行かなくなりますが、自分では病気ではなく、自分の記憶が正しいと思っているので、余計に対立する傾向になります。
この辺りでは、まだ激情が溢れ出す傾向にありますが、この後には無気力感が漂い始めます。
そして、荒々しい感情をむき出しにする傾向から、全く無感情な状況に変化して行きます。体調が悪くなって、やる気が出なくて寝たり外出しなくなります。
ただし、とても不安定なので家族や友人のちょっとした一言が原因で、攻撃的になったりします。
統合失調症の治療方法
周囲の人とのコミュニケーションが円滑に行かなくなると、自分でも病気ではないかと考えるようになります。
普段の自分と違うなと感じたら、もしくは他の人の助言を受けたら、病院へ行きます。そして、治療方法を決定することになります。
これは、通院しながら治療するのか、入院するのか決めます。入院をすると医師の観察の経過で投薬治療を開始出来ます。
通院でも良いのですが、幻覚がひどい状態の場合や自覚症状がない場合は、周囲との問題や、幻覚によって事故の可能性もあるので、入院をする方が安心出来ます。
ただし、統合失調症の場合は、同じ症状でも通院している人もいれば、入院している人もいます。ただし、通院しても入院しても投薬と精神療法やリハビリテーションは欠かさずに行います。
統合失調症のご家族の方へ
統合失調症の家族の方が、自覚症状が余りない本人よりも真剣に悩むことが多いです。その為、すぐに結果が出ない病院は理解がないと考えて別の病院へ行ってしまうことがあります。
しかし、心の問題を非常に抱えている病気なので、すぐに解決が出来る病気ではないのです。むしろ、家族が不安になったりイライラすると、本人の症状が悪化することがあります。
家族には、病気でつらいのは本人なのだと理解してもらいたいのです。どちらかと言うと家族がつらいと言う気持ちを本人に言ってしまうことがありますが、これは逆効果です。
「あの頃のあなたに戻って!」と責めるような言葉を言うと症状が悪化します。とにかく心配し過ぎて泣いたり騒いだり、批判して責めたりしないことが大切な接し方になります。
さらに、妻や親が自分の態度が悪かったから、本人がこんな感じになったのだと後悔してしまうこともいけないです。それを本人に告げて「これからは何でもしてあげるから、治してね」等と言って献身的になるのも悪いです。
家族には、医師と良い関係を築いて欲しいです。対立する関係にはならずに、協力体制で患者さんの症状を医師に伝えたり、投薬の際に本人が飲むのを忘れずに行う手助けをして欲しいです。
また、同じような患者さんの家族と交流して悩みを解決する場もあります。それが、病院や保健所にある家族会です。また、本人が作業療法を行う場合には、デイケアや作業所の職員と連携すると不安にならないです。