睡眠障害
睡眠障害とは
睡眠障害とは、睡眠に何かの支障がある、睡眠に関する病気のことを言います。
睡眠障害の中には様々な症状があり、その数は90ほどにも上ります。
それらの症状は大きく部類すると、睡眠の量や質の問題、睡眠時間帯の異常、睡眠中に起こる何らかの問題の3つに分けられます。
睡眠障害の中でも、よく知られている症状を次からご紹介していきます。
不眠症とは
日本人の5人に1人が不眠症に悩まされていると言われています。
睡眠障害というと、不眠症をまず連想されることが多いほど有名です。
不眠症とは、睡眠を取りたいと思っているのにも関わらずなかなか眠れなかったり、せっかく眠れたのに途中で何度も目が覚めてしまったり、もっと眠りたいのに朝早く目が覚めてしまうなどの症状の病気です。
それによって昼と夜が逆になってしまい、会社や学校に行くのも困難な場合はかなり重症です。
睡眠薬で眠るという治療方法が取られることも多いですが、睡眠薬が効かないという人も中にはいます。
眠りが浅いために疲れがなかなか抜けなかったり、体調を崩すことも多いです。
過眠症とは
なかなか眠れないタイプの睡眠障害もあれば、寝すぎてしまう過眠症という睡眠障害もあります。
不眠症よりは多くはないですが、世界では1000人~2000人に1人が過眠症だと言われています。
しっかり睡眠時間は取れているのに、眠っても眠っても眠い、お昼もついつい眠ってしまうなどの症状があり、10代から20代の人に多い睡眠障害です。
お昼に耐えられないほどの眠気が生じたり、実際に眠ってしまったり、睡眠時間が10時間はないと普通に過ごせないという人は要注意です。
原因は睡眠中に何らかの障害がありしっかり眠れていないことか、脳内の覚醒維持機能に異常があることのどちらかの場合が多いです。
睡眠時無呼吸症候群とは
過眠症と混同されることが多いのが、睡眠時無呼吸症候群です。
名前のごとく、睡眠中に何度か無呼吸になってしまうことで十分な睡眠が取れない睡眠障害です。
無呼吸のために睡眠時間は取れているつもりでも十分に眠れておらずに日中に異常に眠くなることがあります。
それによって過眠症の症状と間違えやすいのです。
無呼吸により夜中に何度も目が覚めてしまう人は、不眠症と混同してしまうこともあります。
無呼吸というのは、10秒以上呼吸が止まり、それが睡眠している一晩のうちに30回以上ある場合に、睡眠時無呼吸症候群と診断されます。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)とは
むずむず脚症候群とは、夕方から夜にかけて眠ろうとすると足にまるで虫が這っているかのようにムズムズして眠れない症状の睡眠障害です。
高齢者に多い睡眠障害で、原因は脳内物質のドーパミンの異常を起こしていることが多いです。
ドーパミンの異常には鉄分不足が関わっていることが多いです。
睡眠に障害が出るほどであれば、早い目に神経内科に受診することをおすすめします。
周期性四肢運動障害とは
足がムズムズして眠れなくなるタイプの睡眠障害もあれば、足に痙攣が起こることで眠れなくなるという周期性四肢運動障害があります。
痙攣は眠りに入りかけた時に多く、足だけではなく、手に起こることもあり、特に中高年に多い睡眠障害のひとつです。
原因ははっきりしておりませんが、鉄分不足や腎機能の低下により起こることが多いです。
睡眠中の異常行動・REM睡眠行動障害とは
REM睡眠行動障害はあまり知られていない睡眠障害かもしれません。
睡眠中に度を越した異常行動を起こす症状の睡眠障害で、重度の場合は、自分や周りにいる人に外傷を加えるほどの異常行動にまで達してしまうことがあります。
原因が不明な突発性のものと、薬や病気の影響で起こる二次性とがあります。
寝言とは言えないほどの大きな声を上げたり、レム睡眠中に見る夢と現実の境がわからずに、夢の通りに行動をしてしまっているといったような症状など様々です。
小児睡眠障害とは
子供の頃に何らかの症状で頻繁に眠れなくなってしまう病気を小児睡眠障害と言います。
小児睡眠障害には、いくつかの症状があり、大人の睡眠障害の症状と少し重なるものもあります。
まずは、睡眠中に悪い夢を見て急に目覚めてしまうという悪夢症です。
数回程度の悪夢症ならいいですが、何度も続くようであれば、病院に相談しましょう。
睡眠中の夜中に急に叫び出したのに何事もなかったように眠ってしまう症状の夜驚症や、夜中に突然起きてウロウロ歩き始める夢遊症、そして、おねしょを繰り返す夜尿症なども小児睡眠障害にはあります。
他には大人の睡眠障害と同じく、なかなか眠れないといった不眠症や睡眠時無呼吸症候群もあります。
子供の睡眠に異常があり、それが頻繁に起こるようであれば早い目に病院に行きましょう。
その他の睡眠障害とは
睡眠障害には数多くの症状がみられ、いくつかの症状が混じり合っていることもあります。
これまでにご紹介した睡眠障害の他には、概日リズム睡眠障害というものもあります。
これは不眠症から発展して、昼と夜が反対になることで決まった時間に起きられなくなるという睡眠障害です。
うつ病や精神病などと合併して起こる睡眠障害もありますので、少しでも気になったら自分で解決しようとするのではなく、病院に行くことをおすすめします。
睡眠障害の改善方法
これまでにもお話しした通り、睡眠障害には様々な種類があります。
原因も様々だからこそいろんな症状に分かれてくるわけですが、改善の第一歩としては症状を細かく把握した上で原因を追究してみることです。
睡眠障害に代表される不眠症の原因はストレスや運動不足が多く、単純にストレス解消のために運動をすることで治ることもあります。
原因を探らずに闇雲に眠ろうとするのではなく、原因究明のためにも病院に行くなど早い目の対策が好ましいです。