幻聴が聞こえる、詳しい症状と原因について
幻聴は幻覚の一種で、誰もいないのに人の声が聞こえてくるとか物の音がするといった、実際には存在しない音が聞こえる症状のことを言います。
実は幻聴で悩んでいる人はとても多く存在しています。
幻聴のほかに幻覚には、幻視(視覚の幻覚)、幻嗅(嗅覚の幻覚)、幻味(味覚の幻覚)などがあります。
今回は、ここでは幻聴という症状とその原因について、詳しく説明してみたいと思います。
1. 幻聴の症状とは
例えば、とても眠たい時に声が聞こえてくるのであれば、いわゆる寝ぼけている状態なのかもしれません。
また、悩み事や心配事について人に何か言われているように感じる、という場合は幻聴の症状とは異なります。
しかし、確かに周りに誰も存在していないのに人の声が聞こえてくる、といった場合には幻聴の症状としてあてはまるでしょう。
幻聴は、これといったパターンがあるわけではなく、人によって聞こえてくる声や内容は様々です。
どんな時に聞こえるのか、外から聞こえるのか頭の中で聞こえるのか、どんな内容の声が聞こえてくるのかは人によって異なります。
対話性幻聴では、幻聴の中で2人の人物が会話をしており、聞こえている本人にとって不快な内容を話しているというパターンが多くみられます。
注釈性幻聴では、聞こえている本人の行動を実況してくるため、監視されているという妄想に陥ることもあります。
そして命令性幻聴では、聞こえている本人に対して幻聴が命令をしてきますので、それに従って自傷行為を行ってしまうという人もいます。
これは幻聴の症状の一部ではありますが、幻聴には人それぞれに異なるパターンや内容が存在するというのが事実です。
2. 幻聴の原因とは
幻聴の原因として考えられるものとして、いくつかの精神科の病気が挙げられます。
1つは統合失調症というもので、主に10~30代の若者に多く発症する病気です。
認知・行動・情動・自我意識など多彩な精神機能の障害が発生するもので、幻聴の他にも被害妄想や自分の考えが他人に知られている(考想察知)と感じたりする症状が現れることもあります。
そして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)も幻聴を引き起こす病気の1つです。
これは過去に災害・事故・犯罪・暴力といった心に深く傷が残る出来事を体験したことが原因で、心身に支障をきたしてしまうものです。
過去の辛い出来事や経験がよみがえるような幻聴が聞こえてくることが多いと言われています。
次に高齢者の場合には、認知症も原因の1つとして挙げられます。
認知症の症状として幻聴や幻視はよく挙げられており、その場にいない子供の声がした、悪口が聞こえたという訴えがあれば注意が必要かもしれません。
また、脳の病気、薬物(大麻・覚せい剤・シンナー)やアルコール依存症による症状で、幻聴が聞こえてくることもあります。
3. まとめ
幻聴はなかなか周りにも理解してもらうことが難しく、聞こえている本人からすると非常に不快で不安なものです。
自分自身で対処することはなかなか難しく、本人にとっては病気という自覚がないといった場合も少なくありません。
症状がある場合にはなるべく早めに病院への受診を検討し、専門的な治療を受けるようにしてください。
2018年2月9日 カテゴリー:こころのコラム
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