今度こそ不眠症を解消するための対策法
夜なかなか寝付けない、ぐっすり眠ったはずなのに昼間眠たくなるなど、不眠症は生活に支障が出るほどの辛い症状です。
不眠は、うつ病などの精神障害、体の病気の一症状として表れたり、カフェインなどの物質誘発性の場合もありますが、ここでは原因のはっきりとしない特発性不眠症について考えてみます。
今回は、今度こそ不眠症を解消したい!と考える人達のために、タイプ別の不眠症対策をいくつかご紹介したいと思います。
1.不眠のタイプを知りましょう
不眠と一言で言っても、その症状は人それぞれ様々です。不眠症には主に4つのタイプがあり、自分がどのタイプに当てはまるかを知ることで、具体的な対策を練ることができます。
入眠障害
不眠症で最も多いタイプであり、夜布団に入っても何時間も寝付けない症状がこれに当てはまります。
中途覚醒
眠りについても、夜中に何度も目が覚めてしまい、なかなか熟睡できない症状です。睡眠維持障害とも言い、目が覚める時間や回数は個人差があります。
早朝覚醒
目覚めたい時間よりも何時間も早くに目が覚めてしまい、2度寝をしたくてもできないという症状で、特に高齢者に多くみられるものです。
熟眠障害
夜ぐっすりと眠ったはずなのに、朝の目覚めが悪く、昼間も眠くなるといった、熟睡感の得られない症状です。
不眠症は主に上に挙げた4つのタイプに分けられますが、複数の症状を併発する人もいます。
2.タイプ別の不眠解消法はこれ
不眠症の4つのタイプについてご紹介したところで、次はタイプ別の不眠解消法についてご紹介します。不眠症は、そのタイプの特徴に合わせて、適切な治療や対策を行うことが重要です。
入眠障害タイプ
このタイプの人は「今夜も眠れないのでは」「今夜こそ早く寝なければ」という不安やプレッシャーを抱え込みやすい傾向にあります。そのように心身が緊張状態にあると、余計に眠りにつけなくなるという悪循環に陥ってしまいます。
まずは「筋弛緩法」という、身体の力を入れたり抜いたりすることを繰り返すリラックス法によって、身体の緊張状態をほぐしてあげましょう。眠る前に軽くストレッチを行ってみたり、ゆっくりとお湯に浸かって入浴することも、入眠障害タイプには効果的です。
中途覚醒タイプ
中途覚醒の人は、夜中に目覚めるたびに時計を見ては「また目が覚めてしまった」と意識し過ぎてしまうことがあり、この行為が更に中途覚醒を悪化させてしまいます。まずは時間を意識せず、夜だけでも手元から時計を排除してしまいましょう。また中途覚醒は高齢になるにつれて多くなる症状で、これはある意味仕方のないことでもあると言えます。
加齢による睡眠の質の変化を受け入れ、余計なプレッシャーを感じすぎないことも大切です。夜中に目が覚めてしまったら、温かいミルクを飲んだり、心地よい音楽を聴くことにより、再び眠気が来るのをゆっくりと待ってみましょう。
また中途覚醒と入眠障害は併発するパターンも多く、両方の対策を一緒に行うことも多いです。眠る前は考え事や悩み事を忘れて、筋弛緩法により心身をリラックスさせてみましょう。
早朝覚醒
早朝覚醒は高齢者に非常に多く見られますが、まずは基本として規則正しい生活を心がけてみましょう。バランスの良い食生活と、適度な運動で身体を動かすことにより、睡眠の質を高めることが大切です。
そして加齢による早期覚醒の改善には、午前中に日光を避け、日中はしっかり日光を浴びる事も効果的と言われています。これは、朝早くに日光を浴びて体内時計が前倒しになることを防ぎ、日中の日光により体内時計を遅らせて眠気が来る時間を延ばすというのが目的です。
熟眠障害
熟眠障害は早朝覚醒とは逆に、午前中に日光をしっかりと浴びることで、睡眠の質を高めることができます。夜眠る数時間前には光の刺激を避け、間接照明を使用するなどして家の照明を暗くして、パソコンやスマートフォンを触ることも控えて下さい。
更に睡眠の数時間前に、1時間程度の軽い運動(ウォーキングやエアロビクス等)を行うことで、熟睡感を高めて翌日の目覚めがスッキリする効果があります。日中の眠気により仮眠を取っていた場合も、なるべく仮眠を控えたり、せめて仮眠は20分以内に抑えるといった工夫をしてみましょう。
このように、睡眠をとりやすい環境(睡眠衛生)を整えてあげることが重要です。出来ることから、やってみてください。
3.まとめ
不眠症のタイプと、タイプ別の解消法についてご紹介しました。
人間にとって睡眠はとても大切なもので、睡眠を満足にとれないことにより、日々の生活にも大きな支障をきたしてしまいます。睡眠日記(睡眠覚醒リズム表)や睡眠アプリなどを活用することで、不眠症の改善に役立つかもしれません。
不眠解消法を日頃の生活に取り入れてみて、それでも解決できず、不安が取り除けない場合には、ためらわずに専門の病院を受診することも検討してみてください。「いつから眠れなくなったのか」「具体的な症状は何か」「不眠になったきっかけはあるか」「不眠以外の不調はあるか」等を、病院にかかる前に一度自分自身で整理しておくと、実際の受診がスムーズに進みます。
このページにいらっしゃった、あなたの睡眠が心地よいものになることを願っています。
2018年2月26日 カテゴリー:こころのコラム
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