家族、友達、職場仲間がうつ病になったらどう接するべき?
身近な人がうつ病になってしまったら、どのように接するべきか想像できますか?
「どうにかしてあげたい」と思う一方、適切な接し方が分からずに困る場合も少なくありません。
今回は、家族や友人など身近な人がうつ病になった時の接し方のポイントを紹介します。
うつ病の方への接し方の基本
うつ病患者さんへの接し方の基本は「共感を示すこと」です。
患者さんが落ち込んでいる様子を見ると、ついつい励ましたり、アドバイスをしたりしたくなるかもしれません。ですが、本人はあまり自分から話をしたくないという場合もあるので、そっと見守る気持ちでいましょう。
もし患者さんの方から話をしてくれた場合は、まずはその声に耳を傾けましょう。言葉をかける場合は、「つらかったね」「大変だったね」と、患者さんの気持ちに寄り添ってください。
かけてはいけない言葉
うつ病の患者さんと接するときに、避けていただきたい言葉をいくつか紹介します。
- 「頑張って」「やればできる」などの励まし
- 「まだ治らないの?」「早く良くなって」など回復を急かすような言葉
- 「気分転換をしよう」「ストレス発散しよう」など無理に連れ出すような声かけ
- 「どうしてそうなったの?」「何が原因なの?」などの追求
- 「心が弱い」「気合が足りない」などの否定的な言葉
など
こうした言葉は患者さんを追い詰め、病状をより悪化させるきっかけになりかねません。あくまでも、その人の気持ちに寄り添って、つらい気持ちに共感することが重要です。どんな言葉をかけてよいか分からなければ、あえて声はかけず、無言で寄り添うだけでもよいと思います。
周りの人が注意すべき兆候
うつ病の患者さんは、自分では気づかないうちに心身の不調を抱えている場合があります。
そのため、周りの人が、うつ病の方が出す“サイン”を見逃さずに対応することが重要です。
以下のような兆候が見られたら注意が必要です。
- 睡眠の変化(寝付けない、夜中に何度も目を覚ます、朝起きられない、早く起きすぎるなど)
- 食欲の変化(食べられない、食べすぎるなど)
- 疲労が抜けない、ずっと疲れている
- 何に対してもやる気が出ない
- 常に落ち込んでいる
- 日頃しないミスが増えている
- ため息ばかりついている
- 何度も聞き返してくる
- いつも表情が暗い
- いつもイライラしている、何かに追われている
- 仕事や学校を休んだり、遅刻したりすることが増える
- 会話をしなくなった、人付き合いをすることが急に減った
など
以上のように、体の不調や気持ちが不安定な様子、行動の急な変化が見られた場合は注意が必要です。
また、患者さんが「死にたい」「消えてしまいたい」といった発言をしたり、身の回りの整理をし始めたり、酒量が急激に増えたりした場合、自殺につながるケースも想定されるため特に注意が必要です。
早めに医師の診察を受けられるように支援しましょう。
2019年9月17日 カテゴリー:こころのコラム
まずはお気軽にご連絡ください
当院では気軽に相談していただけるような和やかな雰囲気づくりを大切にしています。 電話やオンラインでのご相談は承っておりません。ご予約後ご来院をしていただき、ご対面でのご相談となります。
03-6280-8407